内露地の家
Uchiroji
小さく区割りされた住宅地の一角に建つ住まいです。家々は塀と外壁が貼り付くかのように並び道路に面したどの窓も、カーテンがしっかり閉じられていて、そこに窮屈そうに置かれた車や、緑が街の風景を作っています。東京でよく見るこのような住宅地の風景に、住まいと外構を一体的に構成した、内でもあり外でもある、狭小ながら静寂のあるアプローチ空間を提案し、足元に配したその緑は街にも解放しました。「内露地の家」と呼んだこのささやかな住まいは小さいながら茶室空間のように、生活空間に深い陰影とリズムが生まれました。シンプルで簡素な空間は物理的な面積を超え、奥行きや季節が感じられる豊かな居場所になりました。
所 在 地 :東京都立川市
完 成 年 :2008年3月
構造規模:木造2階建て
敷地面積:59.05m²
建築面積:35.34m²
延床面積:55.92m²
photograph
Osamu Tomita